水谷4連覇 単独最多9度目V、若手には厳しいエール「早く強い選手出てきて」
「卓球・全日本選手権」(22日、東京体育館)
男子シングルス決勝で、リオデジャネイロ五輪で日本選手初となるシングルスのメダルを獲得した水谷隼(27)=ビーコン・ラボ=が、吉村和弘(愛工大)を4-1で下して4連覇を達成し、大会史上単独最多となる通算9度目の優勝を果たした。昨年の優勝で男子の斎藤清、女子の小山ちれの8度に並んでいた。
9度目の“定位置”に登りつめた水谷は、例年のように倒れ込みはせず両膝をついてガッツポーズした。前人未到の大記録は「勝つのが当たり前で、負けても『練習してない』と言われる“ハイリスクノーリターン”」と表現する絶対王者にとって特別な数字だ。
「初優勝した時から狙っていた。11年という長い道のりだったが達成できてうれしい」
盤石だったわけではない。準決勝は2ゲーム、決勝も1ゲームを先に奪われながら、勝負所でスーパープレーを連発。若手の挑戦を退けて勝ち誇るとともに、エースとしての本音も口にした。
「全日本は毎回緊張するし、コンディションもよくはない。それでも勝ち続けられる僕と他の選手とでは、まだ圧倒的な差がある」。リオ五輪で日本男子初のメダルを獲得。卓球をさらにメジャーにするため、心を鬼にして奮起を促した。
一つの集大成と捉えている東京五輪に向け、「3年間は王者のまま引退したい」ときっぱり。「死ぬ気で守りたいが、早く強い選手出てきて欲しい」と激烈なエールを送った。