稀勢の里 横綱昇進確定!!決意十分「ここからが本番」

 日本相撲協会の諮問機関、横綱審議委員会(横審)が23日、東京・両国国技館で開かれ、初場所で初優勝した大関稀勢の里(30)=田子ノ浦=を満場一致で横綱に推薦し、第72代横綱昇進が確定した。1998年の三代目若乃花以来、19年ぶりに日本出身横綱が誕生する。25日の臨時理事会で正式に決定する。都内で会見した稀勢の里は先代師匠の故鳴戸親方(元横綱隆の里)の教えを胸に、師匠に近づくことを誓った。

 先代師匠と同じく30歳を超えての横綱昇進が確定した。横審の満場一致での推薦を伝え聞いた稀勢の里は「うれしいのと、気が引き締まった。本当にこれから」と喜びと責任感をにじませた。

 中学卒業後、角界に飛び込んで15年。相撲も礼儀もたたき込んでくれた角界の父が見た景色をやっと見る立場になった。先代師匠は「横綱は見える景色が違う」と若き愛弟子によく話してくれた。

 この日の朝、初優勝した初場所千秋楽からの一夜明け会見では「『横綱は孤独だ』と言っていました。『孤独にならないと相撲は取れない』と。どういうことかまだ分からなかったし、この年でも分からない。頂点に立った人しか分からないものがある。その言葉を理解できるように努力していく」と、感慨に浸った。

 優勝4度の先代師匠に対し、自身は1度。「全然成績的にはまだまだですけど、ゆっくりでも近づけるように努力していきたい」と、横綱で優勝を重ねることを天国の師に誓った。先代が生きていたらどう言われる?と問われると「『ここからが本番だよ』と。自分でもそう思ってる」と気を引き締めた。

 19年ぶり日本出身横綱への大きな期待を感じている。「尊敬されるような力士になっていきたいと思います。稽古場の立ち居振る舞いもそうですし、生き方も周りから見られてますから、模範になるように頑張っていきたい。責任のある地位だと分かってる。中途半端な気持ちではいけない」と決意は十分だ。

 25日の臨時理事会で第72代横綱は正式に誕生する。伝達式での口上に関しては「本当に考えていない。今から」と今後熟考する。

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