稀勢「特別な言葉いらない」 口上は『ありのまま』土俵入りは『雲竜型』
大相撲初場所で初優勝した大関稀勢の里(30)=田子ノ浦=が、第72代横綱昇進を翌日に控えた24日、都内で取材に応じた。25日の臨時理事会で正式決定した後に行われる横綱昇進伝達式での口上は、ありのままの自分をぶつけることを宣言。「自分のそのままの気持ち」と、土俵と同様に愚直に貫く。また、横綱土俵入りは「雲竜型」に決めたことも明かした。
入門15年、愚直に相撲道を歩み続けた稀勢の里らしい。横綱昇進伝達式での口上は、自身をありのままに伝えるド直球勝負だ。
「自分の言いたいこともある。自分のそのままの気持ちを伝えればと思う。特別な言葉はいらない。しっかり(口上の)言葉を受け止めていく」
11年11月、大関昇進時の口上は「大関の名を汚さぬよう、精進します」と、定着化している四字熟語は封印。先代師匠の故鳴戸親方(元横綱隆の里)の教えを常に刻む。今回も天国の師匠を思い、シンプルに伝えるものになりそうだ。
大関の口上の際は、第一声でかすれた。「かんじゃうこともあるから」と、今回は練習を重ねてバチッと決める。
横綱土俵入りの型は「雲竜型」を選んだ。先代師匠が不知火型だったため「悩みました」と熟考した。現在、横綱は白鵬、日馬富士が不知火型で、鶴竜は雲竜型。父・萩原貞彦さん(71)はバランスを考えて雲竜型を勧めていた。本人が「昔からあこがれもあった。(雲竜型は)攻めと守り。自分は見たままそういう相撲」と、決断理由を説明した。
北の湖、貴乃花ら大横綱の系譜を継ぐ決意もにじませる。「比べられない。少しでも近づけるように。これからです。あと10年?そういう、やり続ける気持ちを持って」。25日、3代目若乃花以来、待ちに待った19年ぶりの日本出身横綱が誕生する。