加藤、穂積組4強入り 22歳コンビが快挙、日本人ペアでは全豪史上初
「テニス・全豪オープン」(24日、メルボルン)
女子ダブルス準々決勝で穂積絵莉(22)=橋本総業、加藤未唯(みゆ、22)=佐川印刷=組がミリヤナ・ルチッチバロニ(クロアチア)アンドレア・ペトコビッチ(ドイツ)組に6-3、6-3で勝ち、ベスト4入りを決めた。日本人同士のペアでは全豪で初、四大大会で02年全仏オープン4強の杉山愛、藤原里華組以来。準決勝では第2シードのベサニー・マテックサンズ(米国)ルーシー・サファロバ(チェコ)組に挑む。
穂積、加藤組の快進撃が止まらない。ノーシード同士の対戦で光ったのは、自分たちで考えた巧みな戦略だった。穂積が「一試合一試合、自分たちのプレーが上がっている」と誇るように、会心の出来で4強に入った。
第1セットを奪い、第2セットの2-2で迎えた第5ゲームは苦戦していたペトコビッチのサーブ。ここで作戦を変更した。加藤が後方で第1サーブを受けるときに、通常は前にいる穂積もベースラインへ下がる「ツーバック」の形で守った。
穂積は「私が前にいても、ポイントをうまく取れそうなイメージがなかった」と説明した。強打に対抗するため、2人が後方でリターンからの展開を整え、機を見て加藤が前へ出る得意な陣形をつくるとはまった。このゲームをブレークし、5-3の第9ゲームもペトコビッチのサービスゲームを破り、勝利をたぐり寄せた。
日本人同士で四大大会の決勝に進出したペアは過去にいない。加藤は「勝ちにいこうという気持ちを忘れずに楽しんでいこうと思う」。ともに出場した10年全豪オープン・ジュニアで「たまたま」(加藤)組むと翌年に準優勝し、プロ転向後に本格的にペアを結成して3季目。あうんの呼吸を見せる22歳コンビは歴史を塗り替えられるか。