重友梨佐が優勝 ロンドン五輪代表が大阪で復活V
「大阪国際女子マラソン」(29日、ヤンマースタジアム長居発着=42・195キロ)
世界選手権(8月・ロンドン)の代表選考会を兼ねて行われ、2012年ロンドン五輪代表の重友梨佐(天満屋)が2時間24分22秒(速報タイム)で、12年大会以来5年ぶりとなる復活優勝を果たした。
2位には堀江美里(ノーリツ)、3位には田中華絵(第一生命グループ)が入った。昨年のリオデジャネイロ五輪代表の伊藤舞(大塚製薬)は11位となった。
優勝した重友は、「ここにまた戻って来て最後までゴールできたことが一番うれしく思います。苦しい時期もかなりあったが、いろんな人に助けてもらい、ここまでこられたので、しっかり今できる走りをしようと思い、頑張りました」と話すと、スタンドの母親へ向かい、「いつも心配掛けてスミマセン」と笑顔を交えて頭を下げた。また、この優勝で今夏の世界選手権(ロンドン)への出場が近づいた重友は、「そうなるといいなと思います」と語った。
レースは昨年のリオ代表の伊藤、ロンドン代表の重友らベテラン勢と加藤岬(九電工)、竹中理沙(資生堂)ら2020年東京五輪を目指すホープらがしのぎを削った。
約20人の集団は10キロ過ぎから崩れだし、15キロ付近で先頭集団は加藤、堀江、吉田香織(TEAM R×L)の3人。第2集団に伊藤、竹中、田中となった。
24キロで先頭集団から加藤が脱落。25キロで堀江が飛び出した。その後、第2グループの後方にいた重友が追い上げ、29キロで2位に浮上。その後を田中、加藤が追う展開でレースは終盤を迎えた。 徐々に先頭との距離を縮めた重友は、35キロ付近で堀江に追いつくと、一気にそのまま抜き去った。重友はその後も力強い走りで後続を引き離し、復活のゴールテープを切った。
昨年11月に日本陸連は、東京五輪へ向けて新しい強化構想を打ち出した。強化戦略プロジェクトリーダーに瀬古利彦DeNA総監督が就任。「後半に速くないと世界に太刀打ちできない」とし、後半にタイムを上げられる選手を育てる意向を示していた。
ロンドン世界選手権の女子マラソン代表枠は3。さいたま、大阪国際、名古屋ウィメンズの各大会で日本人1位の選手は、2時間22分30秒の派遣設定記録を突破すれば代表に内定する。