重友“後半勝負”体現も瀬古リーダー不満「よかったというタイムじゃない」
「大阪国際女子マラソン」(29日、ヤンマースタジアム長居発着)
2012年ロンドン五輪代表の重友梨佐(29)=天満屋=が2時間24分22秒で5年ぶり2度目の優勝を果たした。
日本陸連が打ち出した東京五輪への強化構想として今大会で取り入れられたのが「ネガティブスプリット」と呼ばれる後半勝負の方針だ。ペースメーカーを中間点までに短縮し、通過タイムは従来より約1分遅い1時間12分~30秒に設定。後方から追い上げた重友はそれを体現した形となった。
しかし、記録は派遣設定に届かず、瀬古利彦・強化戦略プロジェクトリーダーは「よかったというタイムじゃない。エチオピアやケニアの選手が(先頭グループから)抜け出したら届かない」と物足りなさを口にした。ラップにばらつきもあったペースメーカー。その先を行く選手が出なかったことを問われ「それくらいの力があったら最高だが、今はいない。Qちゃん(高橋尚子)や野口(みずき)のような走力をつけてほしい」と願った。
この方針は3月の名古屋ウィメンズでも取り入れられる。山下佐知子・女子五輪強化コーチは「選手の判断で(後半にレース展開を作る)力が発揮しやすくなったのはよかった」と手応えも口にした。