間垣親方死去 恩師たちが悔やむ「人事は尽くした。つらいことだ」
大相撲の元小結時天空の間垣親方(本名・時天空慶晃、モンゴル名アルタンガダシーン・フチットバータル)が悪性リンパ腫のため31日に死去した。訃報に接した恩師たちは、37歳との早すぎる別れを惜しんだ。
入門時の師匠だった先々代時津風親方(元大関豊山)の内田勝男氏は「真面目ないい力士だった。残念。最後に会った時はこん睡状態だったけど、呼びかけたら目がパッと開いた」と、教え子との最後の対面を明かした。
モンゴルからやってきた弟子の苦労を思い起こし「(異国から来て)僕らの知らない苦労がいっぱいあって、培ったものを後輩に指導できることがあったのに…。どうにもならない。人事は尽くした。つらいことだ」と言葉を失った。
時津風親方(元幕内時津海)は「闘病生活の最初のころは『モルヒネを打ったら痛みに負ける』という理由でモルヒネを拒否していたと聞いた」と明かし、「10月半ばごろには体調が悪化し、『腰が痛い。足が不自由になってきた』と言い、自宅療養するようになった。突然の訃報で、残念で仕方ない」と悔やんだ。
留学生として来日したばかりの間垣親方を指導した東農大相撲部・安井和男総監督は「明るくて楽しくて日本語もすぐに覚えて、仲間に溶け込むのが上手だった」と誰からも愛された人柄を懐かしんだ。教え子とのあまりにも早い別れには「いい学生生活を送って、(角界入り後も)あっという間に番付も上がって、順調と思っていたけど、こういうことがあると言葉を失う。無力で何もしてあげられなかったのが一番残念」と悔しさをあらわにした。