中本健太郎がマラソン初V「こんなに気持ちいいとは」4年前は川内と死闘
「別府大分毎日マラソン」(高崎山・うみたまご前発~亀川漁港前折り返し~大分市営陸上競技場着=42・195キロ)
世界陸上選手権(8月・ロンドン)の代表選手選考会を兼ねて行われ、2012年ロンドン五輪男子マラソン6位入賞の中本健太郎(34)=安川電機=が2時間9分32秒(速報タイム)で、自身14度目のフルマラソンで初優勝を果たした。2位のデレジェ・デベレ(エチオピア)に約50秒差をつけてゴールテープを切った。3位には終盤で追い上げた木滑良(MHPS)が入った。
中本は13年のこの大会で川内優輝(埼玉県庁)とデッドヒートを繰り広げ2位となり、同年の世界陸上モスクワ大会男子マラソンでは5位に入賞。優勝インタビューでは、「(4年前の)あの時の思いがあるので今日の試合にぶつけて、それが優勝に結びついたと思う。(沿道や競技場での声援に)名前で呼んでくれる方が多くて力になりました。ホントありがとうございました」とスタンドへ感謝の気持ちを伝えると、頭上の月桂冠(げっけいかん)に手をやりながら、「優勝というのがこんなに気持ちいいものと初めて知ることができたので、この感じに浸りたいと思います」と喜びを表した。
レースは前半、約30人が先頭集団となって進められ、中本はその中で一定の位置をキープした。中間点(21・0975キロ)を1時間4分34秒で過ぎると、先頭集団は中本、デベレ、木滑のほか、フェリックス・ケニー(ケニア)、丸山文裕(旭化成)、伊藤大賀(スズキ浜松AC)、一般参加の大津顕杜(トヨタ自動車九州)、大石港与(トヨタ自動車)ら21人が形成した。
後半は徐々にペースが上がり、30キロを過ぎてからはデベレ、中本、大石、ケニア、伊藤の5人が抜け出す形となり、残り10キロを切ると、デベレ、中本、伊藤の3人が並び、ケニーと大石が遅れた。
33キロ地点過ぎからは中本とデベレが並走し、伊藤が離れるマッチレースの展開に。35キロ地点の上りで中本がスパートをかけるとデベレも食らいついたが、38キロ地点でデベレが遅れ出し、終盤は前を行く中本との差が開いていった。
中本はレースを振り返り、「最後まで付かれたらスピードはあっち(デベレ)が上なので、どうにか離したいと思ったが、いい形で離れてくれたので、後半は自分のリズムでいけました。(別大マラソンは)自身としては相性のいい大会だったが最近は結果が伴わなかったので、ここでしっかり復活できるようにと臨んできました」と振り返った。
中本はまた、自身3度目となる世界選手権の出場について、「(タイムは)物足りないものはあるが、まず優勝が目標だったので、それは素直にうれしい。(代表に選ばれるかは)分からないが、しっかり次に向けて準備できるように明日から頑張りたい」と話した。