稀勢 大フィーバーに応え横綱として初タイトル「自信になった」

 「大相撲トーナメント大会」(5日、両国国技館)

 初場所で初優勝し、第72代横綱に昇進した稀勢の里(30)=田子ノ浦=が、決勝で平幕貴ノ岩を突き落として初優勝を飾った。満員御礼の大声援に応える新横綱初タイトルとなった。この日発売された春場所(3月12日初日、エディオンアリーナ大阪)の前売り券も15日間即日完売し、人気も勢いも最高潮。2場所連続Vを狙う浪速の春が、稀勢の里一色に染まる。

 初場所千秋楽、劇勝した白鵬戦の再現のようだった。貴ノ岩との決勝。稀勢の里は苦しい右四つに後退しながら、土俵際、首投げを繰り出すと、豪快な左がさく裂。相手を突き落とし逆転した。

 悲願の優勝を飾った2週間前の興奮がよみがえった。「ウオーッ!!」「やったー!!」。国技館を埋め尽くした満員のファンがバンザ~イ。地鳴りのような歓声が響いた。

 男泣きが感動を呼んだ優勝インタビューが記憶に新しい中、再び国技館で味わう喜び。「初場所の勢いそのままにいけた。(初優勝は)18歳から出ていて、本当にうれしい」と、万雷の拍手に応えた。

 19年ぶりに誕生した日本出身横綱のフィーバーは過熱一途だ。1月27日、明治神宮での横綱土俵入りは1万8000人が大挙。3日の成田山新勝寺の豆まきには参拝客6万8000人が集まった。

 この日、国技館で初めて横綱土俵入りを行った。豪快な雲竜型に「日本一!!」「かっこいい~!!」と声援が飛び、「よいしょ!!」と大きなかけ声が飛んだ。「温かい声援をいただいた。(国技館は)声が集中するので違いますね」と、気持ちも乗った。

 昨年10月の全日本力士選士権で初優勝してから、国技館は3連続制覇だ。「秋のトーナメントでいい状態をつかんで九州場所につながった。こういうのも大事にしている。優勝は自信になった」と、2場所連続優勝を狙う春場所へ弾みをつけた。その春場所の前売り券は15日間、販売開始から約2時間半で完売した。

 優勝杯は憧れの貴乃花親方(元横綱)から手渡され「良かったな」と祝福された。春場所では03年初場所で引退した同親方以来、14年ぶりに日本出身横綱として番付に載る。「光栄です。いろいろアドバイスもいただいている。感謝しかない」。若貴ブームの再来とも言える相撲人気。稀勢の里が受け継ぎ不動のものにする。

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