大相撲初場所で初優勝し第７２代横綱に昇進した稀勢の里（３０）＝田子ノ浦＝が９日、茨城県庁で橋本昌県知事（７１）から茨城県民栄誉賞を贈られた。過去に同賞受賞者はリオデジャネイロ五輪体操男子団体総合で金メダルを獲得した山室光史らがおり、力士は初めて。個人、団体合わせ、２０例目になる。

　県出身としては１９３６年の男女（みな）ノ川以来、８１年ぶりの横綱をひと目見ようと、県庁は県民であふれかえった。その数１１５７人。０８年通算１０冠を表彰されたサッカーＪ１の鹿島の１０００人を上回った。

　「横綱～」、「日本一～」の大声援の中、新横綱は、人をかきわけ登壇した。同賞の盾を授与した橋本知事は０４年から県の後援会名誉会長を務めてきただけに感慨深い。

　「何度も今度は、今度はと思って、もう１勝すればというのが何度もあった。本当に名誉会長をやってきて良かった」。

　中学の卒業文集に残した言葉も知っており「『努力で天才に勝つ』と。とっても素晴らしい。早熟にして晩成。『３０歳だけど２５歳くらいの体力』と本人も言っている。大いに優勝回数を重ねていってほしい」とエールを送った。

　挨拶に立った稀勢の里は「初優勝、横綱昇進を支えてくれたのは皆さんの声援のおかげ。特に茨城県の応援は熱いものがあった。本当に後押ししていただきました。横綱の名を汚さないよう精進して参ります」と、感謝を述べた。