羽生悔しいSP3位 プレ平昌で自己ベスト遠く及ばず

 「フィギュアスケート・四大陸選手権」(17日、江陵)

 来年の平昌冬季五輪のテスト大会を兼ねて行われ、男子ショートプログラム(SP)で、昨年末の全日本選手権をインフルエンザで欠場し、約2カ月ぶりの実戦だったソチ五輪金メダリストの羽生結弦(22)=ANA=は97・04点で3位だった。宇野昌磨(19)=中京大=が自身初の100点台となる100・28点で2位につけた。全米王者のネーサン・チェンが103・12点で首位。田中刑事(倉敷芸術科学大)は77・55点で11位だった。

 浮かべた困り顔がすべてを物語っていた。「いやぁ悔しい。仕方ないですね…。しっかり開き直って、調整していければなって思う」。約2カ月ぶりの実戦は、110・95点の自己ベストに遠く及ばない3位発進。羽生は努めて明るく振る舞ったが、表情の奥は曇ったままだった。

 冒頭の4回転ループをきっちりと成功させた。平昌五輪の本番会場は、プリンスのヒット曲「レッツ・ゴー・クレイジー」に乗り、盛り上がりを見せた。「しっかり練習してきたことを出せた。ループが跳べたことは成長した点」。体の感覚も、心の状態も悪くなかった。ただ、そこで「少し考えすぎてしまった」と言う。

 続く4回転サルコー-3回転トーループの連続ジャンプは、回転が抜けてサルコーが2回転に。「注意すべきことにちょっと固執しすぎたのかな。決まっていたら、もっとノリノリでやれたと思う」。悔しさの残る演技となった。

 「平昌五輪で金メダルを取る目標は変わっていない」。五輪体制を整えてプレ大会に臨んでいる。事前に、日本スケート連盟からは会場周辺や選手村の情報が書かれたプリントが配布され、公式練習初日には、自らスマートフォンで会場を撮影した。

 周囲もリハーサルを敢行中だ。選手ホテルは会場からバスで約40分と離れているため、羽生の食事をサポートをする味の素は補色用のおにぎりや夕食の弁当を用意するなど、現地での体制を確認したという。

 「フリーに向けて、やってきたことを出せれば」。ここで挽回の演技を見せることこそ、1年後の輝くメダルにつながっていくはずだ。

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