錦織 アウェーの雰囲気に負けずフルセット制し逆転! 今季初Vに王手
「テニス・アルゼンチンOP」(18日、ブエノスアイレス)
シングルス準決勝で世界ランキング5位の第1シード、錦織圭(27)=日清食品=は世界77位のカルロス・ベルロク(アルゼンチン)に逆転勝ちし、19日午後2時(日本時間20日午前2時)以降開始の決勝に進んだ。今季初優勝とツアー通算12勝目が懸かる決勝では、世界66位のアレクサンドル・ドルゴポロフ(ウクライナ)と対戦する。
ブエノスアイレスの観客が地元のベルロクに大声援を送るアウェーの中で、錦織が2時間40分を超えるフルセットの熱戦を制した。苦境をはね返してこの大会で初の決勝進出を果たし「相手は典型的なクレーの選手で最後までタフな試合だった」と、日焼けした表情に疲れをにじませた。
ベルロクのドロップショットを多用するプレーに乱され、第1セットを落とした。「驚いたのはドロップのうまさで、対処できなかった。ディフェンスもしぶとかった」と苦戦の理由を挙げた。
錦織が第2セットを奪っても観客はサッカー観戦のようなリズムに乗った応援でベルロクを後押し。応援が激しい国別対抗戦のデ杯や全仏オープンでフランス選手と何度も対戦したことがあり「南米の大会の一体感は独特で全仏のような厄介さがあった」と言う。
それでも「集中することを意識した」と話す第3セット。最後まで冷静さを心掛け、先にブレークを許したものの、1-2から4ゲームを連取して押し切った。数々の修羅場をくぐり抜けてきた経験を発揮した。