小平 女王撃破し2冠!平昌金メダル獲得へ勢い止まらない
「冬季アジア大会・スピードスケート女子500m」(21日、明治十勝オーバル)
女子500メートルが行われ、同種目今季無敗の小平奈緒(30)=相沢病院=は、同走だった五輪2連覇女王の李相花(27)=韓国=を“直接対決”で下し、37秒39の自身の国内最高記録を上回る大会新記録で金メダルを獲得した。小平は前日の1000メートルに続く2冠。女子1500メートルでは、高木美帆(22)=日体大=が1分56秒07の国内最高記録で3000メートルに続く2冠を達成。男子1000メートルは小田卓朗(24)=開発計画研究所=が金メダル、女子パシュートも日本が優勝し、この日は日本が全4種目で金メダルを獲得した。
1年後、最大の難敵となる相手に、勢いの差をまざまざと見せつけた。今季無敗の500メートルで、五輪2連覇中の李相花との直接対決を制し、堂々の短距離2冠を達成。ゴールの瞬間、右拳を握った小平は「状態は80パーセントぐらいだったけど、五輪に向けて、いいシミュレーションになった」と充実感を漂わせた。
18年平昌五輪で3連覇を狙うライバルと今季2度目の同走。「組み合わせに恵まれた」と腕ぶしていた。最初の100メートルこそ先手を取られたが、「挽回できる自信があった」と慌てず騒がすじっくりペースアップ。最後まで力強い滑りで突き放し、宿敵に0秒31の大差をつけた。
右ふくらはぎ痛などで万全ではない五輪女王とはいえ、今季はこれで6戦全勝。夢舞台が1年後に迫る中、圧倒的な強さを印象付けられたのは大きい。10代の頃から続くライバル関係。レース後は健闘を称え合い「来年はファイトしよう。いいレースをして勝ちたいね」と互いに勝利を宣言し合ったという。
500メートルは今季、国内外の試合で11連勝と、無敵の快進撃が続く。25日からは世界スプリント(カルガリー)に参戦。高速リンクで日本初の36秒台の期待が懸かる。「36秒台は出る。その先にどんな景色が見れるか」。五輪での頂点を見据え、充実期を迎えた30歳の進化は止まらない。