宇野が逆転で金メダル!冒頭に転倒も「攻めきってまとめられた」

 「冬季アジア大会・フィギュアスケート」(26日、真駒内積水ハイムアイスアリーナ)

 フィギュアスケート男子フリーで、ショートプログラム(SP)2位の宇野昌磨(19)=中京大=が3種類、計4度の4回転ジャンプに挑戦した高難度の演技構成でフリー1位の188・84点をマークして逆転し、合計281・27点で金メダルを獲得した。同種目の日本勢では03年の本田武史以来14年ぶりの戴冠となった。閉会式も行われ、日本の金メダル27個は国・地域別で1位。銀21、銅26を合わせ、過去最多74個のメダルを獲得した。

 アジア王者を示す金メダルが、胸元で輝いた。全日本王者の宇野が逆転優勝。自国開催の大会で“大トリ”の責務を果たし「優勝という結果はうれしい」と表情を緩めた。

 ただ「いい演技ではなかった」と言うように、会心の内容には遠かった。19日まで平昌で行われ、3位になった四大陸選手権からの連戦で、調整に苦戦した。

 冒頭の4回転ループで転倒し、連続ジャンプを予定していたトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)は単発に。抜け落ちた連続ジャンプを終盤の3回転サルコーに急きょ組み込んだが、ほとんど練習したことのない構成を決めきれなかった。

 「残念」とこぼした一方で、演技前に立てた誓いだけは貫き通した形だ。終盤の構成変更は、3度まで入れられるコンビネーションを「絶対に全部やると決めていた」から。失敗はしたが「攻めきってまとめられたのが優勝につながった」と、迷わず挑んだ自分に胸を張った。

 今後の照準は、五輪の出場枠がかかる世界選手権(3~4月、ヘルシンキ)。鍵を握る4回転は、安定感を欠くループや実戦未挑戦のサルコーなど、新たな選択肢を手にしつつある。「跳べるジャンプに挑戦しないことは、どんな状況でもない」。日本を制し、アジアでも頂点に立ったホープは攻めの姿勢を貫き続ける。

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