稀勢の里「あーくそ!!」本格始動にズッコケ 高安に6勝11敗

 「大相撲春場所」(3月12日初日、エディオンアリーナ大阪)

 大相撲の第72代横綱、稀勢の里(30)=田子ノ浦=が28日、大阪市内の宿舎で大阪入り後、初の稽古を行い、弟弟子の関脇高安(27)との三番稽古で17番取り、6勝11敗と負け越した。前日の番付発表で正式に横綱として名が記され、本格始動したが、順風満帆とはいかず苦笑い。初優勝した初場所に続くVに向け、修正には自信を見せ、「しっかりやる」と6度も繰り返した。

 大阪名物・吉本新喜劇のギャグ「今日はこれぐらいにしといたるわ!!」の心境だろう。稀勢の里が格下の高安を相手に、こてんぱんにやられた。

 同じ相手と何度も番数を取る三番稽古。序盤は3連勝もあり、一時は4勝2敗とリードしたものの、7番以降は4連敗した。1勝した後、さらに5連敗。土俵外に転がされ、何度も砂まみれになった新横綱は「あーくそ!!」と何度も絶叫した。

 17番目を上手投げで退け、何とか締めたものの、6勝11敗と大敗した。大阪移動後の初稽古。春場所の新番付発表で正式に横綱となり、第一歩だったが「良くはないですね」と苦笑いした。

 とはいえ、相撲を取るのは2月17日以来、11日ぶりだった。「初日ですから。大丈夫じゃない?力むこともないし、焦ることもない」と淡々。「まあ、しっかりやる」「これからしっかり合わせて、体と考えていることをしっかりやっていければ」と、「しっかり」という言葉を6連続で発した。

 先場所も同じフレーズを繰り返すなど、これぞ“稀勢節”だ。「筋肉自体、体自体はいい状態。あとは、ちょっとしたズレを修正したい。焦らず一日一日」と不安はない。19年ぶりに誕生した日本出身横綱は、2場所連続優勝の目標に“しっかり”照準を合わせている。

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