稀勢の里 気合「押せ、おらー!」意欲の24番 一門引っ張る自覚十分
「大相撲春場所」(12日初日、エディオンアリーナ大阪)
二所ノ関一門による連合稽古が3日、堺市の尾車部屋で行われ、新横綱稀勢の里(田子ノ浦)が“綱パワー”を注入した。「一門を引っ張り上げる」と宣言していた通り、頂点に立った男の自覚だった。
まずは大関同士だった昨年までと同様、関脇琴奨菊(佐渡ケ嶽)を続けて取る三番稽古の相手に指名。「稽古場では対等」と力をぶつけ合った。突き落とし、すくい投げで連勝すると「おし!!」と気合を入れた。一方で相手のがぶりで何度も土俵を割り「くそー!!」と悔しがった。
続いては関脇玉鷲(片男波)だ。突き押され3連敗したが「あれで目覚めた」と闘志に火。その後は5連勝と“倍返し”した。
24番取り15勝9敗。「出足のある力士とやって、(動きが)体に染みこんだ」と、2日間の連合稽古に満足顔。最後は荒鷲(峰崎)のぶつかりに胸を出し「押せ、おらー!!」と声を張り上げてハッスルした。二所ノ関親方(元大関若嶋津)は「自分から進んで引っ張ってくれている」と、一門待望の横綱の姿に目を細めていた。