複合団体スプリント・渡部兄弟が銅メダル 兄弟での表彰台は95年以来
「ノルディックスキー・世界選手権」(3日、ラハティ)
2人一組で競う複合団体スプリントで渡部暁斗(28)、渡部善斗(25)=ともに北野建設=の兄弟で臨んだ日本が銅メダルを獲得した。同種目は13年大会からの実施。複合の日本勢が兄弟で世界選手権の表彰台に上がったのは95年の団体で優勝した双子の荻原健司、次晴以来。渡部暁は個人ラージヒルの銀に続いて今大会2個目、渡部善は五輪、世界選手権を通じて初のメダル獲得となった。
非五輪種目の複合団体スプリントで渡部兄弟が組んだ日本は後半距離で力走し、3位に食い込んだ。世界選手権の複合で日本が複数のメダルを獲得するのは、個人と団体で頂点に立った93年以来24年ぶり。平昌五輪でも十分にメダルを狙えることを証明した兄の渡部暁は「いい刺激になる」と充実感を口にした。
前半飛躍は3位につけた。1・5キロを交互に計10周滑る後半距離では終盤まで先頭争いに加わり、ドイツとノルウェーには離されたが、渡部暁は最終周で3チームによる銅メダル争いを勝ち抜いた。
今大会は4人一組で争う五輪種目の団体でも表彰台に迫った。特に弱点だった走力が向上してきたのは大きいものの、ドイツは全4種目で頂点に立った。弟の渡部善は「そこに勝つのを念頭に置いて練習する」と力強く言う。今大会は運も味方したと感じているのか、渡部暁も「まだ満足のいくパフォーマンスじゃない」と貪欲だった。