稀勢の里、新横綱Vへ幸先ヨシ 初日は豪風、2日目に正代…ともに好相性
「大相撲春場所」(12日初日、エディオンアリーナ大阪)
日本相撲協会は10日、春場所(12日初日・エディオンアリーナ大阪)の取組編成会議を開き、新横綱の稀勢の里(30)=田子ノ浦=は初日に東前頭筆頭の豪風(尾車)、2日目に西小結の正代(時津風)と対戦することが決まった。豪風とは2年ぶり対戦で通算20勝5敗、正代も4勝1敗。好相性な相手で新横綱優勝に弾みを付ける。前日の休養効果で体もキレキレ。稀勢の里フィーバーが巻き起こる浪速の春、出陣準備は整ってきた。
稀勢の里は肉体のすみずみまで疲労が抜けたことを実感した。入念に四股を終えると、若い衆を相手に立ち合いのチェックを10度。さらに土俵回りで基本動作を繰り返した。
前日の休養効果を問われると、「良かったんじゃない。疲れ?うん、いいんじゃない」と少ない言葉に満足感を込めた。
先場所優勝し、横綱昇進の行事に祝賀イベントが続いた。多忙の中、稽古に集中してきたが6日の稽古中に左目上を切り、数針を縫った。8日には横綱白鵬(宮城野)の出稽古を受け、番数をこなすなど調整をハードにこなしてきた。
スタミナ自慢の新横綱ながら、オーバーワーク気味だったのは確か。30歳、自身の体を知るからこその充電。「きょう、あすこんな感じなら切れ味も戻って来る。大丈夫と思う」と、仕上がりに自信をあふれさせた。
横綱初陣となる相手は37歳豪風。15年春場所以来2年ぶり対戦で20勝5敗と圧倒している。2日目の正代も4勝1敗と好相性だ。1場所15日制が定着した49年以降3人しかいない新横綱優勝へスタートダッシュを決める。
懸賞は地方場所最多の1900本、自身にも最多300本。大盤振る舞いの“ご祝儀”は高い期待の表れだ。春の主役は「ありがたい。一日一番集中。いつも通りしっかり」といつもの“稀勢節”でフィーバーに応えることを誓った。