「名古屋ウィメンズマラソン」（１２日、ナゴヤドーム発着）

　世界陸上選手権（８月・ロンドン）の代表選考会を兼ねて行われた。初マラソンの安藤友香（２２）＝スズキ浜松ＡＣ＝が２時間２１分３６秒の初マラソン日本最高記録で日本人トップの２位に入った。日本歴代でも４位の好記録で、世界選手権代表に内定した。同僚の清田真央（２３）＝スズキ浜松ＡＣ＝も２時間２３分４７秒で３位に入り、代表入りが確実となった。

　低迷が続く日本マラソン界に、待望のニューヒロイン候補が誕生した。初マラソンでリオ五輪銀メダリストのキルワに肉薄した安藤の走りに、日本陸連の瀬古利彦長距離・マラソン強化戦略プロジェクトリーダー（６０）は「皆さんのおかげで今日は大ハッピー！（テレビ番組）サンデーモーニングの張本勲さんでいえば、大あっぱれ！よくやってくれた！」と、開口一番から絶賛した。

　先週の男子の選考会・びわ湖毎日マラソンでは日本勢が２時間１０分を切れない低調な結果に終わり、「大喝ですよ！ショック、裏切られた。こんなんじゃあ東京五輪でなんか走れないよ」と辛辣な言葉を並べていたが、この日は一転。「先週はもうどうなることかと思ったけどね。リーダーになってよかった。もう辞めようかと思ってたんだけど。まあそれは冗談ですが、安藤さんのおかげで、今日は安堵の表情でここにこれた。今日は俺、何でもしゃべるよ」と舌も滑らかだった。

　ポーカーフェイスでハイペースを刻んだ安藤の走りを、２月の東京マラソンで３０キロまで日本記録ペースで走った設楽悠太（ホンダ）の走りに重ね、「設楽くんの走りに似ている。あの２人が結婚したらいいんじゃないか。子供ができたら２０年後はすごいことになる」と、妄想が膨らむほど興奮していた。

　安藤は世界選手権代表に内定。リオデジャネイロ五輪銀メダリストのユニスジェプキルイ・キルワ（３２）＝バーレーン＝と１９秒差の２位という好内容に、瀬古リーダーは「１９秒差でしょ？もう背中が見えてる！メダルは夢じゃない」と、本番に向けて期待を込めた。