高梨沙羅、4度目総合Vも自己採点は「30点」 今月末に五輪シーズンへ始動
今季のW杯日程を終えた女子ノルディックスキー・ジャンプの高梨沙羅(20)=クラレ=が14日、羽田空港に帰国した。
今季のW杯は2年連続4度目の総合優勝を果たしたが「本当に自分が(トロフィーを)いただいていいものか、とても不安だった」と明かした。総合優勝を果たしたこと自体には「(ノルウェーの)オスロでこの(総合Vの)クリスタルトロフィーをいただくことができて、正直、ほっとした自分がいました」と吐露したが、シーズンを通じての自己採点は「30点」と激辛だった。
今季W杯は開幕から6戦5勝。19戦のうち17戦に出場して9勝と圧倒的な実力を今季も見せつけた。その一方で、通算49勝で迎えた日本での4試合で優勝できなかったり、今季最大の目標としていた2月の世界選手権では3位に終わるなど、「波のあるシーズン」(高梨)だった。男子のグレゴア・シュリーレンツァウアー(オーストリア)を抜き、男女を通じ単独通算最多となる54勝をかけた最終戦も、伊藤有希に優勝を譲り2位だった。
こうした反省点を踏まえて、「W杯期間になると毎週末試合があります。そこへ向けて万全の状態で準備していかないといけないんですけど、そこで細かいミスに気づけなかったというのもあります」と自分の弱さを分析した。「自分を保ってそこを切り替えていかないとならないところで、結果にばかり目がいってしまって、やるべきことを見失ってしまったというところで30点という数字が、よくよく考えたわけではないんですが直感的に浮かんできました」と厳しい目を自分自身へ向けた。
来季へ向けた始動時期は「3月末には徐々に体作りを初めていく」と今月末を考えていると明かした。例年、4月中旬から下旬にかけて体を動かし始めていることを考えると異例の早さだ。「カンテ(踏み切り台)でもっとインパクトを伝えられるようなバランス感覚が必要」、「体幹トレーニングをするにしても、使える体幹にしないと意味がない」と、ジャンプ台がオープンするゴールデンウィークごろまで、質にとことんこだわった体力作りをする方針だ。
平昌五輪へ必要なものとしては、「人間力の向上」を挙げた。「技術的な部分ももちろんなんですけど、最終的に勝負を決めるのは人間力だと。自分の心に残っている言葉なので、人間力を高めていけるように、生活など考えていきたいと思います」と高みを目指す。