サオリン、大粒の涙「今は感謝の気持ちでいっぱいです」今後は主婦業中心に
バレーボール女子日本代表をけん引してきた木村沙織(30)=東レ=が22日、滋賀県大津市内で会見し「今月末をもって、現役引退することをご報告させて頂きます。本当にたくさんの方々に支えてもらって、いまは感謝の気持ちでいっぱいです」と引退を表明した。
30歳という年齢での現役引退。理由については「どこが(プレー面での)ピークかは分からないけど、うまくいかなくなったり、思うように動けなくなってから辞める(という)より、気持ち的に前ほど悔しいっていうのがなくなったりとか、試合に負けて『くそ~』って感じが薄れてきたかなっていうのがあった。アスリートであるからには勝負にこだわらないといけない。気持ちの部分でちょっと薄れてきた」と説明した。
バレーボールは自分にとって「常に生活の中心。バレーボールがあったから出会えた人もいたし、行けた場所もあった。自分を高めてくれた」と感謝。
今後については「長い間ずっとバレーボールをしてきたので、少しゆっくりしながら、家族の時間を作りながら、主婦をしながら、私らしく第二の人生を楽しみたい。のんびりとというか、ほんわかと、温かい幸せな家庭を築けたらいいなと思います」と話し、指導者としての道については「いまはそこは考えていないです。今は一戦から外れて、一ファンと同じ目線でバレーを観戦したい気持ちが強い」とした。
会見中には感謝の思いを語りながら、言葉に詰まる場面もあった。大粒の涙をこぼすと、「泣いちゃった~」と笑顔で涙をぬぐった。
木村は昨年10月10日、自身のブログで16-17シーズン限りでの引退を表明。東レとしてのシーズン最終戦となったNEC戦(3月5日)後に心境は語らず。この日、あらためて思いを語った形だ。
東京・下北沢成徳高在学中の2004年にアテネ五輪に初出場した木村は、日本のバレー選手として最多4度の五輪に出場。ロンドン五輪銅メダル獲得に貢献し、リオ五輪では主将としてチームを率いた。昨年12月31日に同い年の一般男性との結婚を発表していた。
木村は25日のオールスター戦(深谷市総合体育館)の出場がファン投票で決まっている。