サオリン引退に悔いなし「スッキリ」今後は主婦業に専念
全力のバレーボール人生に区切りをつけた。女子日本代表をけん引した木村沙織(30)=東レ=が22日、大津市内で会見し、25日のオールスター(深谷市総合体育館)を最後に引退すると表明。「その時その時を精いっぱい悔いなく戦ってきた。いつ終わってもいいと思えるくらい、常に本気でできていた。スッキリです」とすがすがしい表情で語った。
大きな理由の一つは精神面だ。「気持ち的に前ほど悔しいっていうのがなくなったり、試合に負けて『くそ~』って感じが薄れてきた」。達成感からか、銅メダルを獲得した12年ロンドン五輪後から徐々に勝負へのこだわりが薄れたという。
もう一つは昨年末の一般男性との結婚。「今まで何があってもバレーボールが(優先順位の)1番上だった」というが、「これからは1番に家族で」と主婦業に専念する意向。すでに「ご飯作ったり、お掃除したり」と満喫中だ。子供は「好きなので二人か三人欲しい」。指導者の道は否定し、20年東京五輪との関わり方も「全然考えていない」とした。
会見中には言葉に詰まり大粒の涙を流す場面もあった。すると今度は「泣いちゃった」とおどけてにっこり。東レの選手から花束を手渡され胴上げされると、また涙。“サオリンワールド”全開の引退会見だった。