サオリンからサリナへ エースのバトンつなぐ「打ち合いっこ」

現役ラストゲームとなったオールスター終了後、笑顔を見せる木村沙織=深谷ビッグタートル
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 「バレーボール・Vリーグオールスター 女子」(25日、深谷市総合体育館)

 今季限りでの現役引退を表明している4大会連続五輪出場の木村沙織(30)=東レ=がラストゲームに臨み、選手生活にピリオドを打った。会場からは「サオリン頑張れ~」の声がとび、木村も終始笑顔でプレー。最後は木村のスパイクが決まり、勝利が決まった。

 エースのバトンがつながれた“儀式”もあった。試合中、木村が相手チームの古賀紗理那(20)=NEC=に「打ち合いっこしよう」と提案。両チームのセッターの協力も得て、至極のラリーが実現した。木村のスパイクを古賀が拾い、古賀のスパイクを木村が拾う。永遠に続くかと思われたラリーは、最後は木村の鋭いスパイクを古賀が拾いきれずに終わりを迎えた。

 昨年8月のリオデジャネイロ五輪で敗退が決まった後、木村はチームメートに伝えた。「紗理那をよろしくね」。次代のエースとして注目されていた古賀は五輪前の不振もあり、メンバー落ち。ただ、木村は全日本の未来を託す存在として、古賀に期待を懸けていた。

 木村との最後のコートでの“会話”を終えた古賀は「ずっと長い間、リーグと全日本を盛り上げて活躍してきた選手。沙織さんの最後の試合を一緒にやれて、一生の思い出になる」と話した後、こう決意を口にした。「沙織さんも応援してくれると思う。自分がもっともっとうまくなれるように頑張っていきたい」-。

 そして、木村も未来の全日本に思いを託した。「選手やスタッフががらっと変わって、また新しい日本の女子バレーが見られると思う。新しい火の鳥ニッポンのバレーを早くみたい。楽しみにしてます」。20年東京五輪へ、一つの時代が終わりを迎え、また新たな未来を切り開くための戦いが始まる。

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