「大相撲春場所・千秋楽」（２６日、エディオンアリーナ大阪）

　７勝７敗で迎えた新入幕の宇良が逸ノ城に勝ち、新入幕場所での勝ち越しを決めた。居反りなど多彩な技で人気で、また地元・大阪出身とあって大歓声を浴びていた。

　２１２キロの逸ノ城に対し、宇良は１２８キロ。８４キロ差ある相手をいなして一度は距離をとった後でぶつかっていった。体格差はいかんともしがたく後退したが、ここからが見せ場。少しでも長く残せるよう土俵の内側へ足を送りながらのすくい投げを打ち、両者もつれて倒れ込んだ。

　軍配は逸ノ城。しかし、逸ノ城が手をつくのが早かったためすぐに物言いがつき、協議の結果、行司差し違えで宇良の勝ちとなった。

　新入幕場所での勝ち越しに宇良は「もう…力の限り自分の諦めずに、最後まで相撲を取れてよかったです」と感慨深げ。今場所を「短いようで詰まった１５日間になったような気がします」と振り返り、「稽古場でも押しを磨いてきて、技だけでなくそういう力を磨いていかないと関取で定着できないと思っていたので、十分発揮できて良かったです」と顔をほころばせた。

　来場所へは「また厳しい戦いになると思いますが、また１５日間、自分の相撲をとりきるように頑張ります」と語った。