羽生、4回転サルコーにミス「ふがいない」5位発進
「フィギュアスケート・世界選手権」(30日、ヘルシンキ)
来年の平昌五輪の国・地域別出場枠を懸けた大会は、男子ショートプログラム(SP)を行い、3季ぶりの世界一を目指す14年ソチ五輪王者の羽生結弦(22)=ANA=は98・39点で5位発進となった。宇野昌磨(19)=中京大)が世界歴代3位の104・86点をマークし、2位につけた。3連覇を狙うハビエル・フェルナンデス(スペイン)が世界歴代2位の109・05点でトップに立った。田中刑事(倉敷芸術科学大)は73・45点で22位。
世界選手権では、金メダルに輝いたソチ五輪のシーズンに初優勝した後、2大会続けて2位と悔しさを味わってきた。世界一返り咲きを狙う羽生は、課題の4回転サルコーにミスが出て5位発進。表情をこわばらせ、何度も「ふがいない」と悔しがった。
冒頭の4回転ループは鮮やかに決め、ジャッジから2・43点の加点を引き出した。しかし、4回転サルコー-3回転トーループを予定した連続ジャンプはサルコーの着氷でバランスを崩し、強引に跳んだ2回転は得点に認められなかった。
2月の四大陸選手権では今季、世界で初めて成功させた4回転ループを含め、フリーで自身初となる4度の4回転ジャンプを成功させた。だが、結果は5度の4回転を跳んだチェン(米国)に敗れて2位。新たなライバルの出現で闘志に火が付いた。その後の1カ月余りは「とにかく(プログラムの)通し練習をすごくやってきた」。拠点のカナダ・トロントでジャンプを集中的に強化してきたが、成果を出し切れなかった。
2連覇が懸かる平昌五輪も見据えたシーズンの総決算。勝負のフリーへ「もちろん金メダルを取りたい」と巻き返しを期した。