三原舞依とソチ五輪の浅田真央 逆襲を呼んだ?奇跡の一致

 「フィギュアスケート・世界選手権」(3月31日、ヘルシンキ)

 女子フリーが行われ、初出場でSP15位の三原舞依(17)=神戸ポートアイランドク=がフリーで自己ベストとなる138・29点をマーク。合計197・88点で大幅に順位を上げ、5位に浮上した。樋口新葉(16)=日本橋女学館高=が11位、本郷理華(20)=邦和スポーツランド=が16位に終わり、上位2人の合計は「16」。「13」以内に与えられる18年平昌五輪出場の最大3枠を逃し、2枠にとどまった。

 スケートができる喜びを目一杯表現した“シンデレラ”の舞に、日本中が一瞬、奇跡を夢見た。冒頭の3回転ルッツ-3回転トーループの連続ジャンプから軽やかなジャンプを次々と決め、スピード感あるスケーティングで銀盤を疾走。「シンデレラ」を演じきり、両手を広げるフィニッシュを決めた後、うれしさを噛みしめるようにその場でクルクルと回った。最終的に五輪3枠には繋がらなかったが、SP15位から5位まで順位を上げ、日本女子の意地を見せた。

 「初めてこの大きな舞台に立たせてもらってすごく幸せだなと心の底から思った。その幸せな気持ちを見てもらおうと思って滑りました」。

 初の大舞台に緊張したSPでは最後の3回転フリップに失敗し、出遅れた。「楽しんで滑ろうと切り替えた」。1年前の今頃は全身の関節が痛む難病「若年性突発性関節炎」に苦しんでいた。「去年の今頃は1年後にここに立てるなんて思ってもなかった」。迷いを振り切って挑んだフリーだった。

 演技前に思い描いたのは、憧れの浅田真央が、14年ソチ五輪のフリーで16位から6位まで順位を上げた伝説の演技。実は奇跡のような共通点があった。浅田のソチ五輪フリーの滑走時間は日本時間の1時41分から。そして、この日の三原も日本時間1時41分からのスタートだった。運命の時間に、憧れの真央と同じような逆襲劇を演じてみせた。

 4大会ぶりに2枠となった五輪代表争い。ただ、今季著しい成長を見せた三原が有力候補となるのは間違いない。「この経験を来季に生かしていきたい」。日本女子フィギュアに生まれたシンデレラガールの魔法は、まだ解けない。

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