ベテラン十両、安美錦が春巡業 業師の後継者宇良に助言
大相撲の春巡業は13日、神奈川県川崎市で行われ、ベテラン十両安美錦(38)=伊勢ケ浜=が今巡業の稽古で初めて土俵に入った。関取衆の申し合わせで6勝1敗とまずまず。「どうせ体は動かないと思って、体が痛くなればと思って。しっかり当たって、番数だけ取ろうと。もっと取りたかった。7番なんて稽古じゃない。部屋の稽古なら怒られている」と元気いっぱいに語った。
元関脇の人気業師も左アキレス鍵の断裂で昨年秋場所で幕内から陥落。十両4場所目で先場所は9勝6敗と勝ち越した。「温かくなってきたからね」と、気温とともに状態も上昇してきた。
幕内稽古中にも残り、平幕宇良(24)=木瀬=に助言。「彼も一生懸命やっているから。『こうすればこういう力の伝わり方もあるよ、幅も広がる』と理論的なことをね。関学大で頭はいいだろうしね。小さい力士は好き。部屋も違うけど、俺は努力している子にしか言わない。生かすか生かさないかは本人次第。俺も教えていかないと。いつ満足に辞めるか分からない」。業師の“後継者”に惜しみなく伝授していた。