朝比奈沙羅が初Vで世界切符 目標は「東京五輪金と医師」
「柔道・全日本女子選手権」(16日、横浜文化体育館)
女子78キロ超級の世界選手権(8~9月・ハンガリー、ブダペスト)代表最終選考会を兼ねて行われ、朝比奈沙羅(20)=東海大=が、決勝でベテランの田知本愛(28)=ALSOK=に優勢勝ちし初優勝。20年東京五輪に向け、最重量級期待のニューヒロインが、初の世界切符をつかみ取った。女子はすべての選考会を終え、48キロ級の渡名喜風南(21)=帝京大=、52キロ級の志々目愛(23)=了徳寺学園職=を追加で代表に選出した。
朝比奈は決勝ではベテラン田知本から残り20秒、払巻込で有効を奪い、初優勝。4回戦では選抜体重別で敗れた山本沙羅(ミキハウス)を11分45秒に及んだ熱戦も制しての戴冠に「(山本戦は)最後は(疲れで)視界がゆがんだ。ここで勝たないと世界選手権はないと思ってた。自分らしい前に出る柔道を見せられた」と、胸を張った。
初戦敗退に終わった福岡の選抜体重別。本来の攻めの柔道が出来なかった。「いつもどおりが出来なかった。親ともけんかしちゃってて。父が過保護だったので」。練習の様子を心配した父に反発。「反抗期でした」。体重別後、中洲の「バーみたいなところ」で1時間、親子で話し合い、和解。迷いなくすっきりした気持ちで、再び練習に取り組めた。
今の最大の目標は20年東京五輪の金メダル。「20年に向けて、自分が世代交代の先陣を切るつもりでやっている」と、きっぱりと言い切る。そしてその先には医師になる目標を掲げ、今も毎日2時間の勉強を欠かさない文武両道ガール。夢への大きな一歩を踏み出した。