池江が偉業!緊張はねのけ女子史上初の5冠「達成感でいっぱい」
「競泳・日本選手権」(16日、日本ガイシプラザ)
女子で16歳の池江璃花子(ルネサンス亀戸)が100メートルバタフライを57秒39、50メートル自由形を24秒57で制し、女子で史上初の5冠を達成した。5種目全てで日本水連の選考基準を満たし、代表となった。男子200メートル平泳ぎは小関也朱篤(25)=ミキハウス=がリオデジャネイロ五輪金メダルに相当する2分7秒18で3連覇し、平泳ぎ3冠。2分6秒67の世界記録を持つ渡辺一平(20)=早大=は2分7秒60で2位となり、ともに代表権を獲得した。
池江が偉業を成し遂げた。女子初の5冠に「本当に達成感でいっぱい」と胸を張った。日本新記録は不発も、4日間で5種目を泳ぐ疲労や重圧に襲われながら勝ち抜いた意味は大きい。「自己ベストを出せず悔しいけど、5冠はいい経験になった」。涙ぐみながら満足感に浸った。
最後は最も得意とする100メートルバタフライだったが「泣きそうなくらい緊張した」と打ち明けた。招集所では他の選手が必死の形相で「絶対に勝つ!!」などと唱えていた。「負けるんじゃないかというネガティブな気持ちもあった」。心が折れそうになったが、日本競泳界をけん引する覚悟で追随を許さなかった。
「3冠おめでとう。最後(2種目)頑張ってね」。連絡してきたのは卓球女子の平野美宇(エリートアカデミー)。中国のトップ3人を立て続けに撃破し、前日にアジア選手権で優勝した友人だ。
「卓球王国の中国に勝つということは、競泳なら米国に勝つということ」。短距離の自由形とバタフライという、日本人が苦手としてきた種目でメダルを狙う自身と重ね合わせた。
戦う舞台は違えど、互いにエースの宿命を背負う2000年生まれのミレニアム世代。心強い友人とともに、世界の強敵を倒しに行く。