リオ五輪銅の荒井が貫禄の走り 4大会連続で世界選手権代表に「ここがピークではない」
「競歩・日本選手権」(16日、石川県輪島市文化会館周回コース)
今夏の世界選手権代表選考会を兼ねた50キロで、リオ五輪で銅メダルを獲得した荒井広宙(28)=自衛隊=が、3時間47分18秒で2年ぶり2回目の優勝。日本陸連が定める派遣設定記録をすでに突破していたため、4大会連続の世界選手権代表に決まった。50キロレース2回目の丸尾知司(さとし、26)=愛知製鋼=が3時間49分17秒の2位で初の世界選手権代表に名乗りを上げる一方、2015年北京世界選手権銅メダリストの谷井孝行(34)=自衛隊=は32キロで途中棄権した。
20度近い高温、そして風速18メートルを超える強風が襲いかかったサバイバル戦。五輪経験者の谷井や森岡、山崎が途中棄権や失格で去る中、五輪で日本競歩界初のメダリストになった荒井が貫禄の歩きを見せた。
「今回は代表権獲得を最優先に記録よりも勝負重視。今はホッとしている」と胸をなで下ろす一方、「本番は世界選手権。ここがピークではない」と表情を引き締める。
50キロ競歩は東京五輪での存続が決まったものの、一時は除外の危機に見舞われた。「子どもたちに競技の魅力を伝えていくのも僕らの役目。もちろんメダルも量産して結果でも応えなければならない」と今後は認知度アップにも力を入れていく。