日本水泳連盟は１７日、７月の世界選手権（ブダペスト）に出場する競泳日本代表１８人を発表した。日本選手権で女子初の５冠を達成した池江璃花子（１６）＝ルネサンス亀戸＝は個人５種目に加え、リレーも含めると最大１０種目に出場する可能性が浮上。日本勢で史上最多の７種目に出場したリオデジャネイロ五輪を超える“鉄女”として、世界大会初のメダル獲得を目指す。また４００、８００メートルリレーのメンバーは６月の和歌山県選手権で最終選考を行う。

　池江がさらなる“鉄女”になる。リオ五輪で出場したリレーを含む７種目に加え、今夏は五輪非実施の５０メートルバタフライの出場権を獲得。世界選手権では１３年大会の萩野公介が７種目に出場しているが、８種目以上となれば日本勢史上最多で、池江は「すべての種目で決勝に残りたい」と力を込めた。

　さらに、男女混合リレー２種目についても「めったに出られないので楽しいし、気分転換になる」と前向きで、最大１０種目に出場する可能性がある。

　一方で、今年の目標は、まだ手にしていない世界大会の勲章。「一つでもいいからメダルを獲りたい」と、日本が苦戦している短距離の自由形とバタフライで勝負をかける。

　最も得意とする１００メートルバタフライは初日から行われるため、まずはここで死力を尽くすことになる。リオ五輪では日本新記録を３連発し、５位入賞。大躍進したものの、金メダルを獲ったのが同い年のペニー・オレクシアク（カナダ）だったこともあり、まだ高校生だという甘えを捨てる覚悟が芽生えた。

　「海外選手は体も大きいので技術で勝負したい。後半の体力が勝負になる」

　夏に向けては欧州遠征を予定しているほか、本番直前に高地合宿を行う可能性もある。昨年末に行った初の高地合宿直後は調子を崩しただけに「不安がある」と漏らす一方で、「最大の目標は東京五輪なので、大会前に行ってみてどうかを（今年）経験してみたい気持ちもある」と、３年後に向けた予行を行う考えも示した。競泳界のヒロインにとって試金石の夏になりそうだ。