住木厳太、地元愛媛国体で決める団体&個人V
愛媛国体相撲の少年男子で地元・愛媛の中心選手として期待が大きいのが、野村高相撲部3年の住木厳太(17)だ。昨年の岩手国体では団体準優勝に貢献し、個人5位の成績を残した逸材。学校のある西予市の乙亥会館が会場となる地元国体で、団体と個人のダブル優勝を狙っている。
鋭い立ち合いで相手にぶつかり、一気に土俵外へ追いやる。「自分は押し相撲。前に出る力や出足の速さが大事なので、そこを鍛えています」と住木。愛媛国体に向け、けいこにも一段と熱がこもる。
小3時に地域の相撲大会に出たのがきっかけとなり、小5から本格的に相撲を始めた。地元の中学には相撲部がなかったため、親元を離れて野村中に入学。「乙亥大相撲」で有名な相撲どころで一心不乱にけいこに打ち込んできた。
昨年の岩手国体では団体準優勝に貢献。個人でも5位に入ったが、優勝には手が届かず「悔しさが残った」と振り返る。
足りなかったのは「体の強さと柔軟性」。現在の体重は123キロだが、上杉博賢監督(38)は「140キロまで増えれば優勝できる」と期待を寄せる。
太るには「とにかく食べること」と住木。母・るみさんの手料理が増量され、昼食の弁当も大型タッパーいっぱいに詰め込む。好物は「カツ丼と親子丼」で、「寝る前に、たまごかけご飯を食べます」とニッコリ。週末は相撲部OBが練習後に作ってくれるちゃんこ鍋を腹いっぱい食べて、体重アップを図っている。
同時に、体幹トレーニングや25キロの砂袋を持って行うスクワットなどで下半身を中心に筋力強化。練習後は股割りやストレッチを入念に行い、股関節などの柔軟性を高めている。
同校相撲部を率いて15年目の上杉監督は、住木の持ち味を「オールマイティー」と表現する。「押し相撲だけど突きもうまいし、四つに組んでも取れる。柔道の経験があるから投げにも対応できる」。今月上旬には全日本ジュニア合宿に参加。世界大会出場を目指す全国トップクラスの選手と一緒にけいこに励み、刺激を受けた。
愛媛国体の会場は西予市の乙亥会館だ。地元中の地元だけに期待も重圧も大きい。「相撲を始めた小学生のときから愛媛国体を目指してきた。団体と個人の両方で優勝したい」。明確な目標を胸に土俵に上がる。