小柳改め豊山が新入幕 偉人のしこ名継承に「自分は自分の豊山像を」

 日本相撲協会は1日、夏場所(5月14日初日、両国国技館)の新番付を発表し、小柳改め豊山(23)=時津風=が新入幕を果たした。三段目付け出しデビューした力士では初の幕内。昨年3月の春場所から7場所すべて勝ち越してのスピード昇進となった。

 番付を見て、「ここまで来れた」と実感。「入門時に幕内に上がりたいと思ってやってきた。番付が上がるごとに一番上に自分の名前を載せたいと思った」と、安どした。

 しこ名は故郷新潟、東農大出身、時津風部屋と同じ経路を歩んだ偉大な2人の先人を継承した。先々代の豊山勝男は63年、大学卒の力士として初めて大関に昇進し、“インテリ大関”と評された。現役引退後は時津風親方として、協会の理事長も務めた。先代、豊山広光は元小結で引退後は長く湊部屋の師匠として弟子を育てた。

 「正直自分でいいのかなとすごく感じる」。新潟で豊山は偉大過ぎるしこ名のため、“3代目”には戸惑いもあった。両親からも「お前で大丈夫か?」と心配された。

 先々代には東農大1年時に初めて対面し「オーラを感じた。威厳がありすぎて自分にはなれない」と圧倒された。「すごいと思ってた人の名前を継ぐのは不思議な感じ」と、話した。

 春場所後、しこ名の継承が決まった。電話で「君は君の豊山で頑張りなさい」と伝えられ、気持ちは楽になた。「自分は自分で豊山像をつくっていきたい」と誓った。

 師匠の時津風親方(元幕内時津海)は「力はもともとあった。これからが勝負。もっと上を目指して欲しい。がむしゃらに前に出る相撲を取って欲しい」と注文を付けた。大関を超えることが恩返しにもなり、「先々代もそれは思っている」と代弁した。

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