沙羅、最大目標の平昌五輪金メダルへ「自分に勝ちたい」
ノルディックスキージャンプ女子の高梨沙羅(20)=クラレ=が1日、友好紙である中日スポーツのインタビューに応じた。昨季は2季連続4度目のW杯総合優勝を果たし、歴代最多のW杯通算53勝もマーク。だが、その一方で2月の世界選手権(フィンランド・ラハティ)では銅メダルと大一番で結果を残せなかった。金メダルを狙う来年2月の平昌五輪に向けて、現在の心境や取り組みを語った。
◇ ◇
-昨季を振り返って。
「いいスタートは切れたけど、細かいミスが続いて。最後まで自分の感覚を取り戻せないままでした。だから例年より早くスタートを切って体づくりをしています」
-収穫は。
「間違いに気づけたこと。だいたい目星はついています」
-間違いとは。
「もともとアプローチが課題なのですが、間違いはその前にあるということ。スタートを切るとき、台に入るときが問題だった。シーズンが終わって、チームでビデオを見て反省をしているときに気付きました」
-大舞台でも結果を残せなかった。技術的な問題だったか。
「そうではないです。大きい試合で結果を残せないのは不安要素があって、自分に自信が持てないから」
-克服するには。
「自信を持てるだけの準備をしないといけない。まず、課題を克服しないと。不安要素がある時点で自信が持てない。準備段階から切り詰めて、ちょっとした狂いも消化しないといけない」
-昨季は不安を抱えながら飛んだようだが、幼少時はどうだったか。
「ジャンプを始めたころはただただ楽しいと。小学校中学年くらいから格好良く飛んでみたいと思うようになった」
-今は勝ちたいか。
「ちょっと違いますね。スキーのジャンプは相手との競技ではない。自分との闘いという感覚で飛んでいます」
-今は楽しいか。
「楽しくはない。自分に負けっぱなしなので。自分に勝ちたいです」
-オフはどう過ごしているか。
「今は休みながら体を動かしている。大学にも通っています」
-料理はするか。
「しますよ。やっぱり体は資本。練習するための体をつくっていかないといけないので、自炊は頑張っています。外食になると塩分を過剰に摂取したり、脂質が多かったりするので」
-得意料理は。
「ないけど、自分が食べられるだけの料理はしています。(栄養も)考えています。トレーニングした後は回復するために炭水化物とタンパク質をなるべく早く摂取しないといけない。あとは免疫力をつけるために、ビタミンAが豊富な緑黄色野菜やサーモンをなるべく食べるようにしています」
-買い物も自分で。
「はい。授業、トレーニングを終えてから行くので相当おっくうです」
-朝ご飯も。
「もちろん。夜に作っておいたものを温めて食べるって感じです」
-昼は学食で。
「いえ、お弁当を持っていきます」
-毎日大変。
「もう慣れました」
-一人暮らしだが、食事が用意される寮生活への憧れは。
「プライベートな時間なので。競技をやめた後も人生は続いていく。それができないと生活できないですから」
-お化粧もきれいにしている。
「きょうは何もしていないですけどね」
-朝は相当早く起きないといけないのでは。
「出発の2時間前には起きます。化粧や着替え、歯磨きを含めた身支度で30分。残りの1時間半でお弁当を作ったり、朝ご飯を食べたり。早起きはおっくうではないんです」
-マイブームとか趣味は。
「最近は甘酒を飲むこと。『飲む点滴』というほど体にいいんですよ、発酵食品ですし。夕飯のときに飲みます」
-将来の夢は。
「せっかく素晴らしいスポーツに出合えているので、そういう関係のお仕事がしたいと」
-指導者とか
「うーん…、そこまで詳しくは考えられない」
-何歳まで現役を続けたいか。
「体が動くまで。自分が思うようにプレーできるまではやりたい。確実に35歳くらいまではいけるんじゃないかと思っています」
-結婚願望は。
「ないですね、いまは」
-現役中に、ということは。
「いい出会いがあれば、結婚しても応援してくれる方ならいいかなって」
-長い現役生活の中で平昌五輪はどういう位置付けか。
「それが今の最大の目標。そこしか見えていないですね」