“伝説の格闘家”中井祐樹氏が柔道女子代表に柔術指導
「400戦無敗の男」ヒクソン・グレイシーとも対戦したことのある元格闘家で日本ブラジリアン柔術連盟会長の中井祐樹氏(46)が2日、都内で行われた柔道女子日本代表の強化合宿に特別講師として招へいされ、寝技を熱血指導した。
中井氏は95年の総合格闘技イベント「バーリ・トゥード・ジャパン」で、ジェラルド・ゴルドーに右目を失明させられながら勝利し、決勝ではヒクソンに惜敗するなど、日本の格闘技界では伝説的な存在。この日は柔道女子日本代表に、ブラジリアン柔術の技術をベースとした寝技の逃れ方や関節技の入り方などを手取り足取りレクチャーした。
日本女子の増地克之監督(46)は「新しいルールになり、寝技の重要性が高まっている」と企画意図を説明し、「今後も継続して来てもらいたい」と話した。日本男子の井上康生監督(38)も視察し、変型の絞め技である「ブラボーチョーク」をはじめ、柔術技に興味津々。中井氏に直接質問し、肌を合わせて教えてもらう場面もあった。
中井氏は「(柔術は)マイナーだったのが、全日本に呼ばれるなんて昔は考えられなかった」と感慨深げ。「海外では柔術と柔道の交流が進んでいる。日本でもこれがチャンスで、その第一歩かな」と話した。
今夏の世界選手権78キロ超級代表の朝比奈沙羅(東海大)は「(相手の足の)二重がらみがこんなに簡単に外れるのか、と発見があった」と収穫があったようで、「楽しかったけど、これで終わらせず今後生かしていくことが大事」とうなづいていた。
◆中井祐樹(なかい・ゆうき)1970年8月18日、北海道出身。高校時代はレスリング、北大では柔道部で寝技中心の“七帝柔道”を学んだ。大学を中退し、佐山聡が設立した「修斗」に入門。95年のバーリ・トゥード・ジャパンで右目を失明した後に、ブラジリアン柔術に転向し、97年にはパラエストラ東京を設立。第一人者として柔術の普及に努めた。170センチ、70キロ。