稀勢の里、自身史上最強ボディー 自己最重184キロ「不摂生じゃない」
「大相撲夏場所」(14日初日、両国国技館)
3場所連続優勝を目指す横綱稀勢の里(30)=田子ノ浦=が2日、都内の部屋で、三段目力士を相手に37日ぶりの相撲を取った。春場所千秋楽、左上腕部などに重症を負いながら、逆転優勝を果たして以来の相撲。夏場所出場へ大きな一歩を踏み出した。午後に両国国技館で行われた力士会の体重計測では、前回測定の今年の初場所前から9キロ増の自己最重量184キロを記録し、史上最強の肉体に自信をあふれさせた。
詰めかけた報道陣に稽古は異例の非公開で行われた。リハビリ途上の姿を見せないのは、稀勢の里の美学なのだろう。閉じられた部屋から響いた力強いぶつかりの音。稽古後、師匠の田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)は「三段目と相撲を取った。20分くらい」と明かした。
奇跡の大逆転2連覇を飾った春場所千秋楽以来、37日ぶり。左大胸筋損傷、左上腕二頭筋損傷で加療1カ月と診断され、春巡業を全休して治療と強化を続けてきた。満を持して上がった土俵で、若い衆を相手に動きを確かめた。
力士会に参加後、久々の相撲を問われ「いいんじゃない。気持ちがいい」と爽快な笑顔を見せた。左腕にも力を込めて患部の回復を確認し「ほぼほぼ、問題ない」とアピールした。
第一段階をパス。3日には横綱審議委員会の稽古総見に臨み、週明けには二所ノ関一門の連合稽古などで、さらにギアを上げる。初日へ照準を定めている。
狙うは1937年夏場所の双葉山以来、80年ぶりとなる初優勝から3連覇。そのためのボディーも手にした。体重測定では、9キロ増となる自己最重量の184キロを計測した。
「不摂生して大きくなったわけじゃない。いい汗をかいている。食生活や体の動かし方、いろいろやっている。非常にいい調整、非常に楽しみ」。史上最大パワーを解放する日を待ち焦がれた。