白鵬、稽古総見で9連勝 締めは高安を“かわいがり”
「大相撲夏場所」(14日初日、両国国技館)
横綱審議委員会の稽古総見が3日、東京・両国国技館で一般公開で行われ、1年ぶり38度目の優勝を目指す横綱白鵬(32)=宮城野=は気迫あふれる相撲で満員御礼8000人を沸かせた。
最近3場所で不覚を取った若手3人を取組相手に指名。まずは平幕正代(25)=時津風=を低く鋭い当たりでのけぞらせ押し出し。その後も豪快に投げ飛ばし3連勝した。
続く平幕貴ノ岩(27)=貴乃花=も寄せ付けず3連勝。最後は平幕遠藤(26)=追手風=と真剣勝負。いきなり、土俵下に突き落とし。すくい投げで転がすと、トドメはガップリ組んでの寄り切り。格の違いを見せ、計9連勝で終えた。
締めには大関とりに挑む関脇高安(27)=田子ノ浦=に胸を出し、ぶつかり稽古。何度も土俵に転がし、息の切れる相手を無理やり起こし、“かわいがり”で存分に力を振り絞らせた。
前日の稽古では右肩の痛みを訴えていたが、動きに問題はない。「追い込んだら古傷を痛める。今回も総見に間に合わせようと思ったら肩が…。大丈夫かと思ったら朝起きたら大丈夫だった」と、強調。春場所を途中休場した要因となった右太もも、右足親指の回復具合にも「いいよりちょっと上」と笑みを浮かべた。
「数より質だね」と納得の9番。3人を選んだ理由には「力を付けている若手。最近負けてますしね」とニヤリ。一番の歓声に「当然でしょう」と、笑って胸を張った。
あと残り10日、調整に狂いはない。「空回りしないように。抑えていきたい」と話した。