稀勢の里、闘魂14番 三役との稽古解禁!白鵬の目の前で11勝
「大相撲夏場所」(14日初日、両国国技館)
3場所連続優勝を目指す横綱稀勢の里(30)=田子ノ浦=は9日、都内の尾車部屋で行われた二所ノ関一門の連合稽古で三役との稽古を解禁した。出稽古に来た横綱白鵬(32)=宮城野=が見守る前で関脇琴奨菊(33)=佐渡ケ嶽=らを相手に闘志むき出しの14番を取り、計11勝3敗。春場所で負傷した左上腕部、左大胸筋は万全ではないものの、夏場所出場へ最終関門をクリアした。
白鵬が見る前で稀勢の里の意地と気迫があふれた。前日まで回避していた三役との相撲をついに解禁。宿敵に“絶対に出る”と決意表明の14番になった。
指名したのは小結嘉風(尾車)。ただ豪快な逆転突き落としで下した際、足を痛め一番でリタイアした。代わって幕内最軽量の石浦(宮城野)が名乗り出たが3戦全勝。役不足は否めずチェンジした。
3番手は入門以来、出世を争い、連合稽古では恒例の琴奨菊。代名詞のがぶりは角界屈指の破壊力で“最終確認”に申し分ない。立ち合いではテーピングを巻く患部を相手に思い切ってぶつけ、パワーを受け止めた。相手に一気に持って行かれる場面もあり「あー、あかん」と嘆きの声も上げた。
左腕は万全でなく、おっつけも封印。それでも右からの投げ、寄り切りは強力。琴奨菊に7勝3敗は夏場所出場へ十分に合格点の内容だった。
出稽古に訪れた白鵬は「大丈夫でしょう」と出場には太鼓判。一方で「完全ではないのは確か。でも常にいなしているからね」と、明らかに以前のスタイルとは違うこともチェックした。
あと5日、急仕上げの稀勢の里に悲壮感はない。「動きは悪くない。いいんじゃない。いい感じで取れた。動きは一日一日良くなっている。(連合稽古は)強い相手とできた。やれたことが収穫」と前だけを見据えた。