稀勢ノミクス急騰ストップ高 史上最多場所前懸賞金が608本!
稀勢ノミクス急騰、ストップ高だ~。大相撲夏場所で懸ける力士を指定する懸賞の本数について、12日の時点で3連覇を目指す横綱稀勢の里(30)=田子ノ浦=が“史上最多”の608本に達した。日本相撲協会の関係者が明らかにした。稀勢の里への指定懸賞は春場所の300本から倍増となった。この日は都内の野見宿禰(のみのすくね)神社で土俵入り。取組編成会議も開かれ、初日に小結嘉風(尾車)、2日目に平幕隠岐の海(八角)との対戦が組まれた。
“稀勢景気”が止まらない。場所前の指定懸賞金は何と608本。初場所の107本から6倍、春場所の300本から倍増だ。「間違いなく最多」と、日本相撲協会の担当者も驚がくの高騰ぶりだった。
608本は稀勢の里への懸賞。取組では相手の懸賞、永谷園などの固定懸賞などが追加になる。1場所での最多獲得は15年初場所、横綱白鵬の545本。もちろん勝たなければ獲得できないが、いかに異常人気となっているかが分かる。
これでも“ストップ”がかかっている。3月から申し込みは殺到し、初日の懸賞は一瞬で70本に達した。呼び出しが懸賞旗を持って回るのは1周につき20本、3周が限度。「相撲の流れは変えられない」と、関係者はほかの日に振り替えるなど必死だ。
例えば、稀勢の里の化粧まわしにもなった人気漫画「北斗の拳」から3兄弟それぞれで懸賞が出たものの、初日の稀勢の里はラオウのみ。ケンシロウ、トキは、ほかの力士に懸けられることになった。
新規の申し込みは10社増え、15日間の総本数は12日時点で2219本と、過去最多を上回る見通し。もっとも、協会から「仕切りを見に来ている人もいる」として、懸賞旗で力士が見えないことも問題になってきた。協会は申し込み方法を変えるなど対策を練る考えだ。
この日、不動の主役は「相撲の神様」を祭る野見宿禰神社の前で土俵入り。「身が引き締まる」と歴代横綱の石碑にも名を刻み気持ちを新たにした。
春場所で負傷した左上腕部などは完ぺきではないが、戦えるからこそ出場を決めた。「平常心でいい。不安を払しょくするために稽古する。一生懸命、集中してやるだけ」。空前の期待に応える態勢は整った。