宇良初10勝 同期対決制しV戦線残った 「あと3つに集中」
「大相撲夏場所・12日目」(25日、両国国技館)
小兵の業師が快進撃だ。幕内2場所目の宇良が北勝富士を下し、自身初の10勝に到達。立ち合いで大きく右に変化して場内をどよめかせ、右差しを許して押し込まれると軽やかにいなし、背後に回って送り出した。
場所前の北勝富士との稽古では「強かった。ほとんど負けていた」という宇良。変化した理由を「よく分からない」とはぐらかし、相手の勢いがありそうだからか、と問われても「ありそうというより、ありますから」と淡々と答えた。
2人は同じ学生相撲出身で同期デビュー。アマの実績は元学生横綱の北勝富士が大きく上回るが、大相撲では宇良が2場所遅れて入幕するまで、歩調を合わせるように出世してきた。宇良はこの日の幕内初顔合わせを「どの番付でも一緒にやってきて、(番付を)どんどん上げたところで対戦できたのはうれしい」と喜んだ。
12日目での2ケタ勝利で、優勝争いにも名を連ねる。「あと3つに集中したい」と自分に言い聞かせた。