桐生祥秀 今度は向かい風&スタートやり直し…夢の9秒台目前も不運続く
「陸上・関東学生対校選手権・第2日」(26日、日産スタジアム)
男子100メートル決勝が行われ、桐生祥秀(21)=東洋大=が10秒24(向かい風0・5メートル)で2年連続3度目の優勝を飾ったが、日本人初の9秒台はまたも持ち越しとなった。
またも桐生の前に、“壁”が立ちふさがった。9秒台の期待が懸かった決勝。1回目のスタートは、制止しなかった選手がいたためやり直しとなった。「(スタート1本目で)疲れて(心臓が)バクバクしてた。すぐにオンユアマークと言われて…」。気持ちが整わない中で迎えた2回目のスタート。やや立ち後れると、肌に感じたのは向かい風。この日は朝から絶好の追い風が吹き続けていた。しかし、スタートやり直しの間に突然、向かい風に…。「走ってて(風が)向かってるなと思ってビックリした」。10分前に行われた女子決勝は追い風1・5メートルの絶好条件。あまりのツキのなさに苦笑いが浮かんだ。
出雲陸上、織田記念国際では向かい風、ダイヤモンドリーグ上海では微妙な判定でフライング失格と、タイムを狙うレースで条件に恵まれない。今大会も、前日のリレーでチームにバトンミスが出て予選落ち危機に陥ったため、アンカーの桐生は急きょ全力疾走を披露。調整のため、この日の準決勝はタイムは狙わず「アップ代わり」にした。その準決勝は雨が降っていたとはいえ、追い風1・8メートル。「珍しく条件が良かったけど、そういう(タイムを狙う)アップをしてなかった」。歯車がかみ合わない戦いが続いている。
次戦はプラハ国際(6月5日)。「まあ勝てたんで良かったです。感覚は悪くない」。いつか運が向くことを信じて、走り続ける。