桃田、1年ぶりの復帰戦を白星で飾る「ゼロからスタートできた」
「バドミントン・日本ランキングサーキット大会」(27日、さいたま市記念総合体育館)
男子シングルス1回戦が行われ、昨年4月に発覚した違法賭博問題で日本協会から無期限大会出場停止処分を受け、15日に解除された元世界ランク2位の桃田賢斗(22)=NTT東日本=が、昨年4月6日のマレーシア・オープン1回戦以来416日ぶりの復帰戦に臨んだ。日本ランク29位の和田周(ジェイテクト)に2-0でストレート勝ちし、2回戦に進んだ。
1年前、日本中に衝撃を与えた元エースがコートに帰ってきた。試合を終えた桃田は、硬い表情のまま四方に一礼。「すごく緊張したけど、コートに立てた感謝の方が大きい」。客席からは“おかえり”の意味を込めた温かい拍手が送られた。
「最初は緊張で地に足がつかずフワフワした」と振り返ったものの、中盤からはジャンピングスマッシュ、代名詞のヘアピン(ネット際に落とすショット)など、ブランクを感じさせない美技を披露。試合時間わずか27分で完勝した。
処分中は毛嫌いしていたランニングやウエートトレーニングに取り組んだ。絞り込んだ体重は約3キロ減の67キロ。表情はより精かんになりスピードもアップした。対戦相手で元同僚の和田には「強かった。前よりも速くなってるし、しっかり練習しているのを感じた」と謙虚に脱帽した。
東京五輪に向けては「今日ゼロからスタートできたので、応援してくれる人のためにも一生懸命頑張りたい」と前向きに話した桃田。一戦一戦、信頼と自信を取り戻していく。