16歳・川合美乃里V 東京で初採用サーフィンに新星
「サーフィン・一宮千葉オープン」(28日、釣ケ崎海岸)
2020年東京五輪で初採用されるサーフィンの五輪会場で行われ、女子は日本連盟強化指定選手の川合美乃里(16)がシニアのプロツアーで初優勝を挙げた。日本人対決となった決勝で13・10点を挙げ、12・40点の黒川日菜子を退けた。今大会はプロ最高峰のチャンピオンシップツアー(CT)の来季参戦権を争う予選シリーズ(QS)で、女子では2番目にランクが高い「QS3000」の第2戦。日本女子がQS3000の大会を制すのは史上初の快挙。16歳のホープが一躍、五輪メダル候補に名乗りを上げた。
海から上がると、川合は待ち構えた大勢のサーファー仲間に迎えられた。歓喜の抱擁を交わす笑顔に涙が伝う。「まさかこんな舞台で優勝できるなんて」。3年後に初めて五輪サーフィンの舞台となる海岸で、会場決定後初めて行われた国際大会で、16歳のホープが頂点に立った。
準決勝、決勝とも最後に乗った波で逆転する劇的な展開。決勝は波の底から頂点まで上って切り返す「トップターン」など連続技を鮮やかに決め、6・83の最高点を挙げて観客をうならせた。終盤は波を先に選べる優先権を持ったまま時間を稼ぎ、黒川を焦らせる駆け引きも光った。
6歳で始め、CT参戦の夢をかなえるために昨年5月から一宮町に移住。猛練習に裏打ちされた安定感を武器に、先月にはQS自己最高の3位に食い込み「試合の流れを呼び込めるようになった」と成長を実感した。
CTを目指す過程にあるのが東京五輪。現状でCTのトッププロが参加するか微妙で、ホームビーチで地の利を生かせる川合の表彰台も十分に考えられる。体力や経験、技術などあらゆる面で伸びしろは大きい。「もっともっとレベルを上げてメダルを取る」と祭典のヒロイン候補に名乗りを上げた。