高安、大関昇進でもしこ名は替えず「定着してますので」
大相撲夏場所(28日千秋楽)で11勝(4敗)を挙げ、大関昇進を確実にした関脇高安(27)=田子ノ浦=が29日、都内の部屋で会見を行った。31日に名古屋場所(7月9日初日、愛知県体育館)に向けた番付編成会議、臨時理事会で正式に昇進が決定し、伝達式が行われ、「大関高安」が誕生する。
重圧と戦いながら、結果を残した。「15日間、ケガなく取り終えてホッとしている。(昇進は)今のところそれほど実感はない」と、充実感に浸った。
昨年九州場所で初の大関とりに挑んだが7勝8敗と沈んだ。2度目の今回は「悔しい気持ちがあった。強い覚悟を持って稽古に取り組んだ」とバネにした。目標は優勝に置き「周りの人には大関と言われたけど、そこに意識はなく、全部勝つ、優勝するという気持ちでやった」と、強い気持ちで星を重ねた。
兄弟子の横綱稀勢の里(30)の背中を追い、番付の距離を縮めることを目指し、精進した。前夜の千秋楽パーティーで会い、感謝の言葉を伝えると「おめでとう」と祝福された。「言葉は少なかったけど、すごくうれしかった。今の自分があるのは横綱のおかげ。感謝しながら早く追いつけるように」と力を込めた。
この日、38回の優勝を果たした白鵬が一夜明け会見で高安に対し「迫力ある大関になって」とハッパをかけたことを伝え聞いた。「ありがたい。自分もそのつもり。正々堂々と迫力ある相撲を取りたい。自覚を持ってやっていく」と誓った。
今後も改名はせず高安のまま。本名大関は出島以来で、過去には元横綱の輪島、北尾(横綱時に双羽黒)がいる。「自分の父が新十両の時に先代師匠(故鳴戸親方=元横綱隆の里)に『ぜひ高安のしこ名でいってほしい』と願い、了承してもらった。高安でやってきてそのまま。定着もしてますので」と、話した。
新大関として狙うは優勝。「15日間全部勝つ」とキッパリ。その上の地位ももちろん視界。「目指せるところまで上がって来た。次は優勝を目指す。優勝をしないとその上は上がれない。その気持ちで取り組みたい」と、意気込んだ。