高安の父、自身の病をきっかけに成長の息子へ「マイナス状況感じ取って…」
大相撲・高安の大関昇進伝達式が31日、都内のホテルで行われた。父・栄二さん、母・ビビリタさんも晴れ姿を見守り感無量の面持ちだった。06年に腎臓がんを患った栄二さんは、そのことをきっかけに相撲に力を注ぐようになったわが子を見ての思いを語った。
05年春場所、15歳で初土俵を踏んだ高安だったが、当時所属していた鳴戸部屋は厳しい集団生活と稽古で知られる部屋だったこともあり、何度も部屋から“脱走”することがあった。しかし、06年に栄二さんが腎臓がんを患い、相撲で成功することを決意した。
栄二さんは「マイナスな状況を感じ取って、一生懸命頑張って精進してくれたというのは…。一見、病気は悪いことなんですけど、それがなければああいう状況を克服することもできなかったのかなとも思ったりします」と万感の思いで振り返った。
伝達式を終え、「感無量です。また今日から上に向かってのつらい日だと思いますので、大変だなと。相撲は廃業するまで一生懸命精進しないといけませんから。親としてできることは見守るだけですので、けがをせずに精進してもらいたいとあらためて思いました」と親心ものぞかせていた。堂々とした姿には「親から見ても良かったと思います。自分の子供ではないような。立派な堂々とした(話しぶりでした)」と目を細めた。