赤土の鬼ナダル史上初V10 ケガからの復活証明
「テニス・全仏OP」(11日、パリ)
男子シングルス決勝で第4シードのラファエル・ナダル(31)=スペイン=が第3シードのスタン・バブリンカ(32)=スイス=に6-2、6-3、6-1で勝ち、3年ぶりに最多となる10度目の優勝を果たした。優勝賞金210万ユーロ(約2億5830万円)を獲得した。四大大会制覇は3年前の全仏以来15度目となり、通算18勝のロジャー・フェデラー(スイス)に次ぐ単独2位となった。
過去の決勝と同じように、愛する赤土の上に倒れ込んで顔を覆った。ナダルが全仏で史上最多を更新する10度目の優勝。けがからの復活を証明し「前例のないことを自分が達成した。それがうれしい」と喜んだ。3年ぶりに手にした赤土のタイトルの味は格別だった。
「自分にとって本当に大切な大会だから重圧はある。今日はいつも以上に感じた」と言ったが、それを感じさせないプレーで圧倒した。ミスで失ったポイントはセットが進むごとに8、3、1と減り、超人的なフットワークと驚異的な粘りで強打のバブリンカに付け入る隙を与えなかった。
近年は両手首、膝の故障が相次ぎ、四大大会制覇から3年間遠ざかった。「日々、自分を疑ってきた。それが集中力を高め、自分を貪欲にさせてくれた」。苦しい日々から逃げず、再び頂点に立つことをモチベーションにし「だからこそ、この成功がある」と誇った。
世界ランキングが2位に浮上し「いい位置にいるのは確か。この後は自分次第だ」。世界1位返り咲きにも意欲を見せる31歳のサウスポーがテニス界の中心に戻ってきた。