15歳中村輪夢BMXで金メダルだ!東京五輪電撃新種目に決定

 20年東京五輪で新種目に決定した自転車BMXフリースタイル・パークの15歳以下の世界王者で、すでにプロ活動もしている中村輪夢(りむ、15)が12日、都内で公開練習を行った。9日の国際オリンピック委員会(IOC)臨時理事会で、電撃的に種目入りが決定。一躍、金メダル候補となった15歳は「金メダルを首から提げたい」と新種目のヒーローとなることを誓った。

 青天のへきれきで巡ってきた夢舞台に立つチャンスに、15歳の天才ライダーは胸を弾ませた。9日の種目入り決定から3日。約50人の報道陣に囲まれた中村は緊張気味に、でも力強く言ってのけた。

 「ずっとやってきたBMXパークが種目になって、とてもうれしい。あと3年。金メダルを首から提げられるように頑張りたい」。

 元BMXライダーで、京都市内で専門ショップを営む父辰司さん(42)の影響で3歳からBMXに乗った。名前の由来は、自転車の部品である「リム」から。辰司さんは「一緒にBMXがしたくて、息子ができたら名前は自転車から付けようと思っていた」と、明かす。“車輪の夢”という意味を持つ名には、実はもう一つ壮大な思いも込められている。

 誕生日の02年2月9日は、ちょうどソルトレークシティー冬季五輪が行われていた。BMXは米国などではメジャーでも、日本ではマイナー競技。「日本で競技だけで生活している選手はいないし、子供たちの目標にはならない。だからヒーローが必要なんです」。五輪のような全世界の目が向けられる大会で、活躍できるように。夢舞台への思いも、輪という漢字に込めた。

 5歳でジャンプを跳び始め、小学5年生の時に初めてスポンサーが付き、プロ活動が始まった。成長を支えたのは、圧倒的な練習量だ。国内に点在する数少ない練習施設。夜中に車で移動し、車中泊。朝、日が昇ってから練習を始め、日が沈むまでBMXに乗り続けてきた。15年に米国で開催されたRECONツアーの13~15歳クラスで優勝し、15歳以下の世界王者になった。

 武器は約3メートルほど空中を舞い上がる圧倒的な高さを誇るジャンプ。公開練習ではその高さを武器に高難度のトリックを次々と披露した。「目立ちたがり」と話す15歳は「誰よりも高く跳びたい」と、力強く誓った。車輪に大きな夢をのせ、TOKYOの空を舞う。

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