水谷、中国次世代エース・樊振東に3戦全敗も「チャンスある」と攻略に手応え
「卓球・荻村杯ジャパンオープン」(18日、東京体育館)
男子シングルス準決勝で、リオデジャネイロ五輪銅メダルの水谷隼(28)=木下グループ=は、世界選手権銀メダルの樊振東(中国)に1-4で敗れ、決勝進出を逃した。男子は世界王者の馬竜(中国)が初優勝し、女子はシニアのワールドツアー初出場の16歳、孫穎莎(中国)が、ダブルスとの2冠を達成した。
リオ五輪以降初の中国勢との一戦。日本のエースとして、ホームで意地でも見せ場をつくりたかった。水谷は3ゲーム続けて落とし、後がなくなった第4ゲーム。「どんな局面でもあきらめたくなかった」。0-5とリードされたものの、開き直って左腕を振り抜く。声援に後押しされるかのように11-9と逆転し、何とか一矢報いた。
20歳の次世代エース相手に、これで3戦全敗となったが「手応えは今回が一番あった」と水谷。「最後はかなりいい打ち合いができた。あれが最初からできれば絶対に(勝つ)チャンスはある。昔に比べて中国との距離は確実に縮まった」。本調子ではない中で、攻略の糸口をつかんだ。
世界選手権では13歳の張本智和(エリートアカデミー)に敗れプライドを打ち砕かれたが、いつまでも下を向いていられない。「復調にはまだ時間がかかるけど(4強は)きっかけになる。練習すればまだまだ成長できる。誰が相手でも負けない選手になりたい」。向上心がある限りエースでいられる。