桐生リベンジV宣言 昨年は悔し涙の3位「自分の走りをすれば優勝」

 「陸上・日本選手権」(23日、ヤンマースタジアム長居)

 22日は前日練習が行われ、日本人初の9秒台の期待が懸かる男子100メートルでは、3年ぶり2度目の優勝を狙う桐生祥秀(21)=東洋大=が3位に終わり涙を流した昨年のリベンジを宣言した。連覇を狙うケンブリッジ飛鳥(24)=ナイキ、4年ぶりの優勝が懸かる山県亮太(25)=セイコーホールディングス、追い風参考ながら9秒94をマークした多田修平(20)=関学大=らが3枠の世界選手権出場枠を争う。23日は予選と準決勝、24日に決勝が行われる。

 悔し涙の五輪切符から1年。自らの進化への自信と確信を持って、桐生は日本最速決戦に帰ってきた。

 「去年は悔しい思いをしちゃったので、今回は笑顔で終わりたいと思います」

 リオ五輪の代表選考会だった前回大会の決勝。ケンブリッジ、山県との“3強”決戦に注目が集まったが、桐生はレース途中で右足にけいれんを発症し、失速。なんとか3位を確保し五輪出場を決めたが、レース後は人目もはばからず涙した。周囲には「こういう形で決めたくなかった」と本音を漏らした。日本選手権では14年の初優勝以降、結果を残せていない。土江コーチが「特別な思いはあると思う」と話すように、今大会に懸ける思いは誰よりも強い。

 今季、誰よりも結果を残してきた。すでに3度の10秒0台をマーク。向かい風条件下でも10秒04も叩き出した。9秒台に最も近い男という自負もある。だからこそ、山県、ケンブリッジ、そして新星の多田がそろったハイレベルな一戦を前にしても「全員が世界選手権に行けるわけではないけど、今年は気負わずに自分の走りをすれば、優勝できる」と自信は揺らがない。

 この日の練習ではスタート練習を2本行い、軽快な動きを見せた。1年前の自分と、強力なライバルたちをぶっちぎり、日本最速の称号を取り戻す。

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