稀勢の里、左腕の不安一蹴!がん患者と“約束” 名古屋場所出る
「大相撲名古屋場所」(7月9日初日、愛知県体育館)
左上腕部などの負傷で夏場所を途中休場した横綱稀勢の里(田子ノ浦)が29日、名古屋市の名古屋第二赤十字病院に入院する患者32人を慰問。ケガを心配するがん患者には「初日から間に合います。(ケガは)あと少しというところ」と話し、名古屋場所の出場を初めて明言した。
まるで難病の少年に本塁打を約束したベーブ・ルースだ。抗がん剤治療をする55歳男性に本心の誓い。闘病への力を与えるため、自らがケガを乗り越えて勝つ。土俵から病床へ勇姿を届けることは使命だ。
状態も文句ない。朝稽古は3日連続で新大関高安と三番稽古を行い10勝4敗と貫禄を見せた。前日は8連敗を喫し10勝11敗と精彩を欠いたが、きっちり修正。最後は力勝負で圧倒し6連勝で締めてリベンジした。
「(高安は)馬力がある。お互い力を出し合い手抜きはできない。番数を少なく集中して短くビシッと。今日は良かった」と3日で計50番に充実の表情を見せた。30日から2日間、二所ノ関一門の連合稽古でさらにペースは上がる。「まだまだ良くなる」と調整に自信をあふれさせた。